Rockstar Games Grand Theft Auto: The Trilogy – Definitive Edition (PS5)

これらの名作タイトルのビジュアル刷新は、様々な改善をもたらしています。強化された照明システムと天候エフェクトは現代的な魅力を加え、描画距離の拡大により各都市の規模がより際立つようになりました。しかし、新しいキャラクターモデルには一貫性がなく、一部は明らかに改善されている一方で、オリジナル版と比べて不自然な印象や生気のない表現になってしまったものもあります。環境テクスチャは高解像度アセットにアップグレードされましたが、アートディレクションが時としてオリジナルの美学と相反する印象を与えています。

パフォーマンス面では、PS5で60fpsで動作し、フレームレートの低下は少ないものの、雨のエフェクトで時々スタッターが発生します。ロード時間はオリジナル版と比べて大幅に短縮されています。GTA V風のコントロールシステムの実装により、ウェポンホイール、改善されたターゲティング、GPSナビゲーションなど、現代のプレイヤーにとってより親しみやすい操作性となっています。ラジオ局と象徴的なサウンドトラックは依然として素晴らしいですが、ライセンスの問題で一部の楽曲が削除されています。

ユーザーエクスペリエンスは多くのQOL改善の恩恵を受けています。更新されたチェックポイントシステムにより、難しいミッションでのストレスが軽減されました。失敗したミッションを即座にリスタートできる機能により、マーカーまでの煩わしい運転が不要になりました。メニューナビゲーションやキャラクターカスタマイズもよりスムーズになっています。ただし、一部のオリジナルのバグは修正されておらず、新たなグリッチも発生しています。

価値の観点では、3つの大作ゲームが1つのパッケージに含まれているのは魅力的に見えますが、リマスター版の品質にばらつきがあることを考えると、プレミアム価格設定には疑問が残ります。ゲーム自体は依然として楽しめるものの、同程度の価格帯の他のリマスター作品と比べると、改善の程度が物足りない印象です。